■正常眼圧緑内障



   原発開放隅角緑内障の中には、眼圧が正常値で隅角も
   開いているにもかかわらず、視神経の損傷や視野の欠損
   が見られる場合が見られます。最近この正常眼圧緑内障
   (NTG)が注目され始め、一時期ニュースでも話題になった
   ことは記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。

   近年の調査では、緑内障患者の半数以上、特に原発開放
   隅角緑内障の多くを、この正常眼圧緑内障が占めていると
   されており、欧米に比べて日本人に発症の割合が高いことも
   分かりました。一日のうちで眼圧が高くなる時間帯がある
   ことや、視神経が弱く正常範囲の眼圧でも傷ついてしまう等
   の原因が推測されています。

   この病気が緑内障の中でも特に深刻なのは初期にはほとんど
   自覚症状がないまま進行し、何かおかしいと気がついた頃
   には相当な視野欠損が進んでいる場合が多いためです。目を
   動かさずに物が見える範囲を視野と呼びますが、通常の状態
   では片目で左右160度程度の範囲が見えるとされています。

   緑内障はその視野が少しずつ欠けてきたり、虫食いのような
   状態で見えなくなってきたりするのですが、人間は両眼で
   見ているときは、一方の目の視野が欠けていても気付きにく
   いのです。また、症状が進行しても視野の中心は最後まで
   残っている場合が多く、見ようとしている対象物は見えるの
   ですが、その周辺のものが徐々に見えなくなっていきます。

   このような経過も、自覚症状に気付きにくい原因のひとつ
   であり、異常を感じて眼科を受診したときには、すでに片方
   の目がほとんど見えなくなっているケースも少なくないと
   いうことです。
 

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